住まいのリフォーム時期(寿命)
- 2014/10/16
- 18:41
こんにちは、竹の字です。
今回はみなさんのお住まいの各部位の寿命について書こうと思います。
竹の字は、当然ですが仕事で色々なお住まいにお邪魔させてもらい、お客さんとたくさんお話をします。
その中で毎回と言っていいほど質問されるのが
『これっていつ頃交換するものなの?』
とても深イイ質問ですね(パクリ)
住まいの色々な箇所の交換時期や寿命は様々です。
また、たとえば便器ひとつを例に挙げてみても陶器の部分と配管の部分、パッキンの部分とでは寿命がまちまちです。
ですから厳密に言えば
『現場を見ないと分からない』
ということになってしまいます。
しかしお客さんの立場からしてみれば、大まかで構わないから目安となる年数や時期は知りたいと思うはずです。
そこで住まいの主要な箇所のお手入れの時期や寿命についてまとめてみました。
①トイレ
先に少し書いた通り、一言でトイレの寿命を言うのは難しいです。
まず陶器の部分は亀裂が入らない限りはほぼ半永久的にもちます。
便器の代表的なメーカーであるTOTOやLIXIL(旧INAX)の便器であれば、相当な年数に耐えうると思われます。
ただしホームセンターなどで販売されている裏品番(メーカーのカタログに記載のない品番)の商品はコスト削減のために陶器部分が薄く作られているため寿命は短いと思われるため要注意です。
次に便器内部のパッキンなどの部品は約10年、便器外部の部品や配管は2~30年が寿命となります。
また便器が設置してある床は漏水などで大幅に劣化が進みます。
そして漏水があった場合、便器からの汚水が戸建てでは床下、マンションでは配管スペースや階下へ流れるため被害も甚大なものになります。
ですから壊れるまで交換しないというのはあまり賢明ではありませんね。
これらを総合して考えると、20年までは部品の交換などで補修し、20年を超えたら交換を視野に入れてもいいのかなと思います。

漏水のため水浸しになったトイレの床下(築35年)
②風呂
お風呂は大きく分けると在来浴室(タイルのお風呂)とユニットバスに分かれます。
在来はまずタイルの寿命(厳密にはタイル目地の寿命)が10年~15年ほどで真っ先に訪れます。
次に浴室内の水栓などが15年ほどで寿命となります。(パッキン交換などで補修可能)
そして最後に浴室へ通じる給水管が3~40年ほどで寿命となります。
総合すると、30年までは修理や部品交換でしのぎ、30年を超えたらリフォーム時期だと考えます。
ただ在来浴室は近年騒がれている「ヒートショック現象」を引き起こす原因とされており、高齢化が進む中であまり時代に合った形ではないような気がします。
冬場の寒さが気になる方や、掃除を楽にしたい方などユニットバスのメリットは多大にあるので、思い切って寿命を迎える前にリフォームしてしまう方もいらっしゃいます。

腐り白蟻に食われた浴室入口の柱(築28年)
ユニットバスの場合は、浴室内の水栓などが15年。(パッキン交換などで補修可能)
ユニットや壁パネルの継ぎ目のシーリングが25~30年ほどになります。
シーリングは打ち直すことが可能ですので、経年の汚れが気にならなければ相当な年数に耐え得ることになります。
問題は補修部品を製造メーカーがいつまで在庫してるかですね。
総合すると汚れが耐えられなくなったらリフォーム時期です。
③キッチン
キッチンも大きく分けるとブロックキッチンとシステムキッチンになります。
いずれもパッキンと配管が寿命を決めます。
パッキンに関しては10年~20年程で寿命となります。(交換可能)
配管に関しては3~40年程になります。
配管の寿命を迎えて交換します、という状況はつまるところ漏水を起こしたということですから大惨事になってしまいます。
そうなる前にキッチンを撤去して配管を交換するため、これが実質キッチンの寿命となります。

漏水のため床板や根太傷んでいるキッチンの下(築23年)
④化粧台
化粧台は小さなキッチンのような構造ですが、キッチンほど丈夫に造られていなかったり、使用頻度が違ったりするため全く一緒とは限りません。
また洗面や歯磨きの際に使用する場所ですから、常に清潔できれいな状態にしておきたいところですね。
交換にかかる費用もキッチンの10分の1程度で収まるため、交換時期は比較的早めにされる方が多いです。

排水が漏れていた化粧台の下(築12年)
⑤給湯器
給湯器の寿命はとても律儀だと言えます。
なぜならそれはほぼ使用頻度で決まるからです。
大家族で頻繁にお湯を使う家庭では最短で8年で故障した場合もありますし、高齢者の2人暮らしの家庭で23年間使い続けたというケースもありました。
故障してから交換するまでの数日間にお湯が使えなくても構わないということであれば、壊れるまで使い切りましょう。
ただしメーカーが推奨する交換時期は10年とされており、お湯を作る機能は生きていても不完全燃焼気味になり排気の一酸化炭素濃度が上昇するなど見えない不具合が発生することもあるため、安全性の面から10年を過ぎたらなるべく早めに交換するべきですね。
⑥屋根
屋根の種類は大きく分けて3種類あります。
まずは瓦葺き屋根。
瓦自体は雨水を防ぐ役割の物ではないため、汚れるか割れるかしない限りは交換の必要性はありません。
瓦の下に敷いてある防水紙の寿命は30年程になります。
漆喰や瓦の下地となっている垂木などは10年~15年程で交換時期となります。
総合すると30年までは部分補修でしのぎ、30年を目安に瓦の葺き直し(防水紙交換)をするのが望ましいと言えます。
しかし先の震災や越谷市の竜巻などでも分かるように瓦葺きは振動や風に対して非常に脆弱であり、その重量で建物に甚大な負担をかけるため減少傾向にあります。
住まいの佇まいをどうしても和風にという場合以外はあまりお勧めできません。

漆喰が剥がれ落ちてしまった瓦屋根(築34年)
次にスレート系の屋根。
これは簡単に言えばセメントの板に塗料を塗った屋根材になります。
現時点で1番普及している屋根材ですが、1番寿命の短い屋根材です。
屋根材自体は10~20年ほどで防水塗料がきれ、常時水分を含むようになりコケが生えてきます。
その下の防水紙(ルーフィング)はやはり30年が目安となります。
屋根材の継ぎ目をカバーしている役物の下地となっている垂木などは10~15年で傷んできますので、釘が抜けかけてきたら要注意です。
スレート系の屋根は寿命が短いため、定期的に塗装をして延命をしてあげる必要があります。
ただ建物の中で1番紫外線や風雨に晒される場所ですので、いくら優秀な塗料といえども限度があります。
10~15年おきに塗装をするか、長寿命の屋根材に葺き替えるか、その建物の築年数に応じて判断していくと良いと思います。

防水塗料が切れコケが生えてしまったスレート屋根(築25年)
最後に金属系屋根。
一言で金属系と言っても葺き方は何種類もありますが、寿命が決まるのはその金属の素材によります。
トタンであれば早ければ2~3年で錆が発生し、ひどいケースでは腐食して穴が開いてしまうためこまめに錆止めと塗装が必要になります。
ガルバリウム鋼板の場合であれば30年以上腐食しないとされているため、15年に1度くらいでシーリングの打ち直しをしてあげましょう。
珍しいですがステンレスの屋根の場合も同様です。

雨漏りをしている住宅の軒天(築22年)
⑦外壁
外壁の寿命は外壁の塗料の寿命と同義です。(もちろん他の要素もありますがここでは割愛します)
つまりどんな塗装が施されているかで塗り替えの時期が決まります。
一般的な耐久年数でいうと…
○アクリル塗料(6~7年)
1番安価な塗料になり、新築時もこの塗料が使われていることが多いです。
住宅を新築した際に、その業者から「8年後には一度塗装をしてね」など言われた方もいらっしゃると思いますが、それはこのアクリル塗料の寿命のためです。
○ウレタン塗料(8年)
アクリルに比べて弾力性に富んだ塗料で、コスト的にも優れています。
外壁塗装をする際に、木・鉄・樹脂の部分はこの塗料を使う場合が多いです。
○シリコン塗料(8年~12年)
品質やコストの面で総合的に1番優れた塗料で、塗装と言ったらシリコンを思い浮かべる方も少なくないと思います。
○フッ素塗料(15年~20年)
圧倒的な耐久性を誇る塗料です。
塗料単体の価格は1番高価ですが、価格を耐用年数で割った費用対効果では1番優秀です。
これらの塗料もさらに水性(水で薄めて使う)か溶剤(シンナーで薄めて使う)かに分かれるため、さらに複雑になってきます。
外壁塗装を計画する際には、そのお住まいを将来的にあと何年持たせたいかを決め、その期間内で最もコストがかからない塗料をチョイスするのが望ましいです。
例えば、築8年で最初の塗装をするのにアクリル塗料ではその先もまた何度も塗装をする必要性がでてきてしまいます。
逆に築40年で、10年後には建て替えを考えている場合にフッ素塗料を使うのはもったいないです。
このような形で塗料の耐久度を考慮してご自身のお住まいの状況に合った塗装をされると良いですね。

雨漏りの原因となった外壁の亀裂(築22年)
⑧エクステリア
エクステリアとは日本語で外構といい、簡単に言えば住宅の周りのことを指します。
濡れ縁・フェンス・テラス・カーポート・土間・門扉・ブロック塀などがこれに該当します。
これらの多くは寿命というよりも壊れたり見た目が悪くなったらリフォームするようなものですが、ブロック塀にはれっきとした寿命が存在します。
ブロック自体が中性化が進み劣化するのと、内部に埋設されている鉄筋が腐食してしまうのが30年と言われています。
震災の影響かもしれませんが春日部にはブロック塀が完全に傾いているお宅が数多く見受けられます。
そうそう簡単には倒壊しないと思いますが、万が一の場合、そのブロック塀の下敷きになってしまった人への賠償責任を負うのはその所有者です。
30年を過ぎている場合は何かしらの対策を講じることをお勧めします。
⑨サッシ
アルミサッシ自体の寿命は相当長いと考えられます。
ご存知の通り、アルミニウムは腐食しませんし塗料で保護されているような構造もしていないので原則的に寿命はないと考えられます。
しかしそのサッシを固定している木製の枠であったり、外壁のモルタルであったり、ガラスをはめ込むパッキンであったりとサッシの周りにある物の寿命のために交換を余儀なくされる場合がほとんどです。
また戸車や網戸の外れ止めなど樹脂の部分は2~30年が寿命と考えられますので、それを目安にすれば良いかと思います。
⑩内装
内装とは、床・壁・天井・建具などの建材を指します。
これらはハッキリとした寿命はなく、住環境により寿命が変わってきます。
1番寿命を縮める原因となるのが湿気です。
例えば共働きの夫婦のお宅では、平日の日中は窓などを閉めっ切りにしてあるため家の中が密封パックの中のような状態になってしまいます。
こうなるとまず木が湿気を帯びてカビてしまったり、クロスが剥がれてきたりなどします。
また冬場ですと内部結露が発生し、家の骨組みを傷めてしまいます。
内装は自身で目視できる箇所ですから、見た目が悪くなってしまったらリフォームし、それがすぐ傷むようなら家の換気が不十分である可能性があります。
思い当たる節がある方は一度ご自身の住環境について考えられてみてはいかがでしょうか。
以上、住宅の10項目の寿命について長々と書き連ねてみましたが、もしかしかたら「竹の字の説明じゃ理解できん!」という方もいらっしゃるかもしれません。
もしお住まいに何かしら気になる点やお手入れの時期かもと思っている箇所がある方は一度専門家に点検を依頼されてはどうでしょうか?
一生の内で何度も買うことはない住宅ですから、適切な方法で維持管理をして豊かな住環境を作り上げられられることを竹の字も願ってやまないです。
今回はみなさんのお住まいの各部位の寿命について書こうと思います。
竹の字は、当然ですが仕事で色々なお住まいにお邪魔させてもらい、お客さんとたくさんお話をします。
その中で毎回と言っていいほど質問されるのが
『これっていつ頃交換するものなの?』
とても深イイ質問ですね(パクリ)
住まいの色々な箇所の交換時期や寿命は様々です。
また、たとえば便器ひとつを例に挙げてみても陶器の部分と配管の部分、パッキンの部分とでは寿命がまちまちです。
ですから厳密に言えば
『現場を見ないと分からない』
ということになってしまいます。
しかしお客さんの立場からしてみれば、大まかで構わないから目安となる年数や時期は知りたいと思うはずです。
そこで住まいの主要な箇所のお手入れの時期や寿命についてまとめてみました。
①トイレ
先に少し書いた通り、一言でトイレの寿命を言うのは難しいです。
まず陶器の部分は亀裂が入らない限りはほぼ半永久的にもちます。
便器の代表的なメーカーであるTOTOやLIXIL(旧INAX)の便器であれば、相当な年数に耐えうると思われます。
ただしホームセンターなどで販売されている裏品番(メーカーのカタログに記載のない品番)の商品はコスト削減のために陶器部分が薄く作られているため寿命は短いと思われるため要注意です。
次に便器内部のパッキンなどの部品は約10年、便器外部の部品や配管は2~30年が寿命となります。
また便器が設置してある床は漏水などで大幅に劣化が進みます。
そして漏水があった場合、便器からの汚水が戸建てでは床下、マンションでは配管スペースや階下へ流れるため被害も甚大なものになります。
ですから壊れるまで交換しないというのはあまり賢明ではありませんね。
これらを総合して考えると、20年までは部品の交換などで補修し、20年を超えたら交換を視野に入れてもいいのかなと思います。

漏水のため水浸しになったトイレの床下(築35年)
②風呂
お風呂は大きく分けると在来浴室(タイルのお風呂)とユニットバスに分かれます。
在来はまずタイルの寿命(厳密にはタイル目地の寿命)が10年~15年ほどで真っ先に訪れます。
次に浴室内の水栓などが15年ほどで寿命となります。(パッキン交換などで補修可能)
そして最後に浴室へ通じる給水管が3~40年ほどで寿命となります。
総合すると、30年までは修理や部品交換でしのぎ、30年を超えたらリフォーム時期だと考えます。
ただ在来浴室は近年騒がれている「ヒートショック現象」を引き起こす原因とされており、高齢化が進む中であまり時代に合った形ではないような気がします。
冬場の寒さが気になる方や、掃除を楽にしたい方などユニットバスのメリットは多大にあるので、思い切って寿命を迎える前にリフォームしてしまう方もいらっしゃいます。

腐り白蟻に食われた浴室入口の柱(築28年)
ユニットバスの場合は、浴室内の水栓などが15年。(パッキン交換などで補修可能)
ユニットや壁パネルの継ぎ目のシーリングが25~30年ほどになります。
シーリングは打ち直すことが可能ですので、経年の汚れが気にならなければ相当な年数に耐え得ることになります。
問題は補修部品を製造メーカーがいつまで在庫してるかですね。
総合すると汚れが耐えられなくなったらリフォーム時期です。
③キッチン
キッチンも大きく分けるとブロックキッチンとシステムキッチンになります。
いずれもパッキンと配管が寿命を決めます。
パッキンに関しては10年~20年程で寿命となります。(交換可能)
配管に関しては3~40年程になります。
配管の寿命を迎えて交換します、という状況はつまるところ漏水を起こしたということですから大惨事になってしまいます。
そうなる前にキッチンを撤去して配管を交換するため、これが実質キッチンの寿命となります。

漏水のため床板や根太傷んでいるキッチンの下(築23年)
④化粧台
化粧台は小さなキッチンのような構造ですが、キッチンほど丈夫に造られていなかったり、使用頻度が違ったりするため全く一緒とは限りません。
また洗面や歯磨きの際に使用する場所ですから、常に清潔できれいな状態にしておきたいところですね。
交換にかかる費用もキッチンの10分の1程度で収まるため、交換時期は比較的早めにされる方が多いです。

排水が漏れていた化粧台の下(築12年)
⑤給湯器
給湯器の寿命はとても律儀だと言えます。
なぜならそれはほぼ使用頻度で決まるからです。
大家族で頻繁にお湯を使う家庭では最短で8年で故障した場合もありますし、高齢者の2人暮らしの家庭で23年間使い続けたというケースもありました。
故障してから交換するまでの数日間にお湯が使えなくても構わないということであれば、壊れるまで使い切りましょう。
ただしメーカーが推奨する交換時期は10年とされており、お湯を作る機能は生きていても不完全燃焼気味になり排気の一酸化炭素濃度が上昇するなど見えない不具合が発生することもあるため、安全性の面から10年を過ぎたらなるべく早めに交換するべきですね。
⑥屋根
屋根の種類は大きく分けて3種類あります。
まずは瓦葺き屋根。
瓦自体は雨水を防ぐ役割の物ではないため、汚れるか割れるかしない限りは交換の必要性はありません。
瓦の下に敷いてある防水紙の寿命は30年程になります。
漆喰や瓦の下地となっている垂木などは10年~15年程で交換時期となります。
総合すると30年までは部分補修でしのぎ、30年を目安に瓦の葺き直し(防水紙交換)をするのが望ましいと言えます。
しかし先の震災や越谷市の竜巻などでも分かるように瓦葺きは振動や風に対して非常に脆弱であり、その重量で建物に甚大な負担をかけるため減少傾向にあります。
住まいの佇まいをどうしても和風にという場合以外はあまりお勧めできません。

漆喰が剥がれ落ちてしまった瓦屋根(築34年)
次にスレート系の屋根。
これは簡単に言えばセメントの板に塗料を塗った屋根材になります。
現時点で1番普及している屋根材ですが、1番寿命の短い屋根材です。
屋根材自体は10~20年ほどで防水塗料がきれ、常時水分を含むようになりコケが生えてきます。
その下の防水紙(ルーフィング)はやはり30年が目安となります。
屋根材の継ぎ目をカバーしている役物の下地となっている垂木などは10~15年で傷んできますので、釘が抜けかけてきたら要注意です。
スレート系の屋根は寿命が短いため、定期的に塗装をして延命をしてあげる必要があります。
ただ建物の中で1番紫外線や風雨に晒される場所ですので、いくら優秀な塗料といえども限度があります。
10~15年おきに塗装をするか、長寿命の屋根材に葺き替えるか、その建物の築年数に応じて判断していくと良いと思います。

防水塗料が切れコケが生えてしまったスレート屋根(築25年)
最後に金属系屋根。
一言で金属系と言っても葺き方は何種類もありますが、寿命が決まるのはその金属の素材によります。
トタンであれば早ければ2~3年で錆が発生し、ひどいケースでは腐食して穴が開いてしまうためこまめに錆止めと塗装が必要になります。
ガルバリウム鋼板の場合であれば30年以上腐食しないとされているため、15年に1度くらいでシーリングの打ち直しをしてあげましょう。
珍しいですがステンレスの屋根の場合も同様です。

雨漏りをしている住宅の軒天(築22年)
⑦外壁
外壁の寿命は外壁の塗料の寿命と同義です。(もちろん他の要素もありますがここでは割愛します)
つまりどんな塗装が施されているかで塗り替えの時期が決まります。
一般的な耐久年数でいうと…
○アクリル塗料(6~7年)
1番安価な塗料になり、新築時もこの塗料が使われていることが多いです。
住宅を新築した際に、その業者から「8年後には一度塗装をしてね」など言われた方もいらっしゃると思いますが、それはこのアクリル塗料の寿命のためです。
○ウレタン塗料(8年)
アクリルに比べて弾力性に富んだ塗料で、コスト的にも優れています。
外壁塗装をする際に、木・鉄・樹脂の部分はこの塗料を使う場合が多いです。
○シリコン塗料(8年~12年)
品質やコストの面で総合的に1番優れた塗料で、塗装と言ったらシリコンを思い浮かべる方も少なくないと思います。
○フッ素塗料(15年~20年)
圧倒的な耐久性を誇る塗料です。
塗料単体の価格は1番高価ですが、価格を耐用年数で割った費用対効果では1番優秀です。
これらの塗料もさらに水性(水で薄めて使う)か溶剤(シンナーで薄めて使う)かに分かれるため、さらに複雑になってきます。
外壁塗装を計画する際には、そのお住まいを将来的にあと何年持たせたいかを決め、その期間内で最もコストがかからない塗料をチョイスするのが望ましいです。
例えば、築8年で最初の塗装をするのにアクリル塗料ではその先もまた何度も塗装をする必要性がでてきてしまいます。
逆に築40年で、10年後には建て替えを考えている場合にフッ素塗料を使うのはもったいないです。
このような形で塗料の耐久度を考慮してご自身のお住まいの状況に合った塗装をされると良いですね。

雨漏りの原因となった外壁の亀裂(築22年)
⑧エクステリア
エクステリアとは日本語で外構といい、簡単に言えば住宅の周りのことを指します。
濡れ縁・フェンス・テラス・カーポート・土間・門扉・ブロック塀などがこれに該当します。
これらの多くは寿命というよりも壊れたり見た目が悪くなったらリフォームするようなものですが、ブロック塀にはれっきとした寿命が存在します。
ブロック自体が中性化が進み劣化するのと、内部に埋設されている鉄筋が腐食してしまうのが30年と言われています。
震災の影響かもしれませんが春日部にはブロック塀が完全に傾いているお宅が数多く見受けられます。
そうそう簡単には倒壊しないと思いますが、万が一の場合、そのブロック塀の下敷きになってしまった人への賠償責任を負うのはその所有者です。
30年を過ぎている場合は何かしらの対策を講じることをお勧めします。
⑨サッシ
アルミサッシ自体の寿命は相当長いと考えられます。
ご存知の通り、アルミニウムは腐食しませんし塗料で保護されているような構造もしていないので原則的に寿命はないと考えられます。
しかしそのサッシを固定している木製の枠であったり、外壁のモルタルであったり、ガラスをはめ込むパッキンであったりとサッシの周りにある物の寿命のために交換を余儀なくされる場合がほとんどです。
また戸車や網戸の外れ止めなど樹脂の部分は2~30年が寿命と考えられますので、それを目安にすれば良いかと思います。
⑩内装
内装とは、床・壁・天井・建具などの建材を指します。
これらはハッキリとした寿命はなく、住環境により寿命が変わってきます。
1番寿命を縮める原因となるのが湿気です。
例えば共働きの夫婦のお宅では、平日の日中は窓などを閉めっ切りにしてあるため家の中が密封パックの中のような状態になってしまいます。
こうなるとまず木が湿気を帯びてカビてしまったり、クロスが剥がれてきたりなどします。
また冬場ですと内部結露が発生し、家の骨組みを傷めてしまいます。
内装は自身で目視できる箇所ですから、見た目が悪くなってしまったらリフォームし、それがすぐ傷むようなら家の換気が不十分である可能性があります。
思い当たる節がある方は一度ご自身の住環境について考えられてみてはいかがでしょうか。
以上、住宅の10項目の寿命について長々と書き連ねてみましたが、もしかしかたら「竹の字の説明じゃ理解できん!」という方もいらっしゃるかもしれません。
もしお住まいに何かしら気になる点やお手入れの時期かもと思っている箇所がある方は一度専門家に点検を依頼されてはどうでしょうか?
一生の内で何度も買うことはない住宅ですから、適切な方法で維持管理をして豊かな住環境を作り上げられられることを竹の字も願ってやまないです。